【SEO】次世代WEB用画像ファイル戦争勃発!JPGの後継はWebPが有力
2018年11月にアップデートされたGoogleのPageSpeed Insitghtsにより長らく棚上げされてきたJPGの次世代規格論争を呼び起こすことになりました。
PageSpeed insitghtsが「 JPGやPNGよりコッチ使って! 」とJPEG 2000 / JPG XR / WebPの3種を推奨しはじめたのです。
実は古い次世代規格候補とWEB検索・ブラウザ戦争
ファイル容量圧縮に対して劣化の激しいJPGの弱点は10年以上前から問題視されていました。
実際、改良型のJPEG 2000が登場したのは2000年頃ですし、その後も2009年にはJPG XRが、2010年にはWebPも登場。
それからすでに結構な年月が経ちますが、まだまだJPGが現役。JPG XRもWebPも聞いたことすらないって方も多いのではないでしょうか。
(JPEG 2000はPhotoshopの保存形式にあるので目にしたことある方は多いかも)
これらの次世代規格が統一されずJPGがこれほどに使われてきた一番の要因は「 次世代規格をめぐる企業間の対立 」にあります。
Apple vs Microsoft vs Googleの構図
問題はJPEG 2000もJPG XRもWebPも、WEBブラウザを開発運営する三社が推進している点です。
- JPEG 2000:Appleが推進
- JPG XR:Microsoftが推進
- WebP:Googleが推進
言わずもがなPCやOS、スマホなどでライバル関係にある3社です。これら3社それぞれが主要WEBブラウザも擁しているから質が悪い。
AppleにはMac / iPhone / iPadでデフォルトのsafariがあり、MicrosoftはWindowsデフォルトのEdgeがあり、GoogleはChromeが。
それでJPG XRはEdgeやIEなどMicrosoft系のブラウザのみ、JPEG 2000はAppleのsafariのみ、Googleが推すWebPはChrome系のブラウザだけが対応。
次世代規格が統一される兆しがないので、世のウェブマスターたちも次世代規格ではなくどのブラウザでも広く対応しているJPGを採用してきたのです。
同様の事情により、カメラ業界でもデジカメの画像保存形式にはJPGがメインとして使われてきました。
ハードウェアとインターネットの進化も関連が
次世代規格が統一されずJPGが使われ続けてきたもうひとつの要因が、「 PCなどハードウェアとネット回線の進化 」にあります。
JPGが劣化に弱いとはいえ、容量を気にせず100%画質保存なら劣化を抑えることは可能です。
しかしインターネット黎明期は回線速度が遅く、大きいJPG画像を開くには時間がかかりました。またJPGを保存するPCのハードディスクやデジカメ本体やCFカード(今はSDカードが主流)などストレージを圧迫。
それでJPGの後継として画質を維持しながら容量の軽いJPEG 2000やJPG XR、WebPが登場したのです。しかし先述の事情により普及しないうちに、PCやCFカードなどハードウェアのストレージがぐんぐん進化。
同時にインターネット回線もダイヤルアップからISDN、ADSL、光回線へと切り替わっていきます。
これらの進化により画像の容量が大きくてもさほど気にならず、軽量さよりも互換性が優先されJPGが使われ続けました。
一石を投じたPageSpeed Insights
こうして次世代規格は半ばJPGに淘汰されるような形で忘れ去られていました。
が、鬼才スティーブ・ジョブズ率いるAppleが市場に投入したスマホの普及により事情が一変。PCよりもスマホでのネット利用が多くなったことで、スマホに合わせたページの軽量化が求められるように。
そしてついにGoogleが「 JPGとかPNGよりも容量を軽くできる次世代規格を使いましょう! 」とJPEG 2000 / JPG XR / WebPの3種を推奨したのです。
今後はWebPの時代?
今後はWebPがJPGの後継規格としてWEB業界を統一していくと予想されます。
正直切り替えがめんどくさいので「 うわぁ、Googleがまたなんか言い出したけどどうしよう 」って困惑した空気はありますが、次世代規格の方がJPGよりも軽量で優れているのは正論。
2019年9月2日現在、FirefoxもEdgeもWebPに対応する予定。
逆にJPEG 2000とJPG XRのブラウザ対応が広がる様子はないので、ポストJPGはWebPで確定とみていいでしょう。
ただし、safariがWebPに未対応で対応する予定もありません。safariといえばiPad、iPhone、MacPCの標準ブラウザ。ここをAppleがせきとめている限り、次世代規格としてWebPが標準になる日は遠いかも……?
まとめ:次世代WEB用画像ファイル戦争と後継有力規格
- 画像の次世代規格として生まれたJPEG 2000 / JPG XR / WebPだが、3社の思惑もありなかなか統一されずJPGが使われ続けてきた。
- スマホの台頭やユーザーマインドなどWEB業界の変遷により、サイトにはページ表示速度が重視されるように。
- ページ表示速度を評価してくれるGoogleのPage SpeedInsightsがJPG / PNGではなくJPEG 2000 / JPG XR / WebPを推奨し、再び脚光を浴びる。
- しかしJPGが酷使された結果、現状WEBブラウザや各種アプリがJPEG 2000 / JPG XR / WebP対応が微妙。
- 現状WebPが有力ではあるが、safariが未対応のため実質Mac / iPhoneで非対応。
ただ問題もあり、現状ではまだ対応していないブラウザが多いうえにWordPressとかPhotoshopとかWEB業界でよく使われるアプリケーションでも非対応です。
なのでいますぐに切り替えしていくのは少々早いかもしれません。
(この辺りについては詳しくは下記記事にて解説しています)
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