クイックフォーマットと通常フォーマットの違い【SDカード・HDD・SSD】

ハードディスク

クラウドストレージが発達したいまでも、私たちの身の周りにはまだまだ多くの外部ストレージデバイスが存在しています。

パソコンには外付けハードディスク / 高速な外付けSSD。カメラにはSDカード、AndroidスマホにはmicroSDカード……

で、Windowsで外部ストレージデバイスをフォーマットするとき気になるのが「 クイックフォーマット 」と「 通常フォーマット 」の違い

ただ速いか遅いか、時間がかかるか短縮できるかの違いだけではないのです。

不良セクタのチェックを省くかどうかの違い

Windows10でのクイックフォーマット・通常フォーマット選択画面

クイックフォーマットにすべきか通常フォーマットにすべきか。

クイックフォーマットと通常フォーマットの最大の違いは不良セクタチェックの有無

通常フォーマットは不良セクタをチェックするため時間がかかっています。

一方、クイックフォーマットはその不良セクタのチェックをスキップするので時間がかからないのです。早いのは当然です。

不良セクタのチェックって?

不良セクタとはデータの読み込み・書き込みでエラーが出るため使うことができない領域を指します。

たとえば、セクタはデータをしまう引き出しとでも考えましょう。ハードディスクやSDカードにはそのセクタ=引き出しがビッシリと並んでいます。

しかし使っているうちにその引き出しになにかしらの不具合が生じ、データを置けなくなったり取り出せなくなります。これが不良セクタです。

不良セクタには新しくデータを保存できず、すでに入っていたデータの読み込みもできません。破損データです。

おお、データよ、破損してしまうとは何事じゃ 」と嘆くことになるやーつ。

セクタは512バイトからなる単位で、不良セクタチェック時に1バイトでも不良の場所があったセクタは記録され以後使われなくなります。

なお、ハードディスクでもフラッシュメモリであるSDでも使っているうちに不良セクタは出てしまうもの。

どんなときに通常フォーマットすべき?

念を入れて、って意味では可能な限り通常フォーマットをかけた方が安心ではあります。

しかし通常フォーマットはものすごい時間がかかります。半日かかるなんてこともザラ。もちろんPCのスペックやフォーマットをかけるデバイスの容量にもよりますが。

なので、さほど大事なデータを入れるのでもなければ通常フォーマットではなくクイックフォーマットでもいいでしょう。

例えば観たら消す予定のテレビ録画用のハードディスクなんかは最悪多少不良セクタが出ても大した影響はありませんし、クイックフォーマットでもOK。

反対に、仕事で使う重要データや長期保存する予定の写真を入れる予定のストレージであれば通常フォーマットをかけてから使った方が安心です。

使っていれば不良セクタは起こる

不良セクタは使っているうちに出てきてしまうものです。外付けストレージに限らず、お使いのPCに内蔵されたHDDやSSDでも起こりえます。

多少起きたとて全体の保存容量には大した影響はなく、あまり神経質になる必要はありません。

が、大事なデータを扱うハードディスクやSDカードであればやはり使う前に通常フォーマットをしてから使うと安心です。

なお、新品の外付けハードディスク、SSD、SDカードであれば、出荷前にメーカー側でフォーマットをかけて不良セクタのチェック済み。

わざわざ通常フォーマットをかける必要性は感じられないので、私は新品の外部ストレージをおろしたときはクイックフォーマットで済ませています。

しかしもしすごく重要なデータを保存予定で時間が許すようであれば、念のため通常フォーマットをかけるのもありです。

そもそもフォーマットってなに?

そもそもフォーマットとは、ただストレージ内のデータを消すだけの機能ではありません。

いままであったデータをすべて消してデバイスを初期化しつつ、PCなどの機器でストレージデバイスを使えるよう準備する機能です。

先ほどの引き出しの例で考えれば、一旦古い引き出しを中身のデータごとすべて捨てて、新しく引き出しを並べる作業。

そして、その準備の一環として使えない不良セクタ=引き出しを置けない領域がないかをチェックし、「 ここは使えないから避けよう 」と記録しておくのが通常フォーマットなのです。

とはいえ膨大なセクタをひとつずつチェックするため、かなり時間がかかるもの。さほど重要なデータを入れるのでもなければクイックフォーマットでも十分、と覚えておきましょう。

まとめ:クイックフォーマットと通常フォーマットの違い

  • 通常フォーマットではストレージデバイス内の不良セクタをチェックする点が違い。
  • 通常フォーマットでチェックし、読み書きでエラーが出た不良セクタは以後データ保存に使わないよう記録される。
  • クイックフォーマットは不良セクタのチェックを省略するのでフォーマット時間が大幅に短縮される。
  • ハードディスクもSSDもSDカードも、不良セクタは使っているうちに出るもの。
  • あまり神経質になる必要もないが、重要なデータを保存するストレージデバイスは通常フォーマットをかけておくと安心。