怖いぐらいに使えるデータ復旧ソフト EaseUS Data Recovery Wizard【レビュー】

おおデータよ消えてしまうとは何事じゃ

おお、でーたよ! きえてしまうとは なにごとじゃ!

写真や音楽まであらゆるものがデジタル化されたご時世、データを収納するのはPCのみならず。

SDカード、外付けハードディスク、外付けSSD etc… たくさんのストレージがあります。

そして怖いのが、これらのデータは常に、突然吹き飛んで消えてしまうリスクがあること。

EaseUS Data Recovery Wizardのレビュー

EaseUSDataRecoveryWizard公式ページのキャプチャー

EaseUS Data Recovery Wizard公式ページより。

EaseUS Data Recovery Wizardをレビューするにあたって。

そんな恐怖から我々を解放してくれるデータ復旧ソフト EaseUS Data Recovery Wizardをレビュー。

ザックリまとめるとこんな感じ。

  • マニュアルなしで使えるほど直感的な使い方
  • スキャンも復旧も予想以上に短時間で完了
  • 動作も意外と軽快で、ほかの作業と同時進行できるレベル
  • スキャン後の日時表示など、若干の不満点も
  • 地味に大事な永久アップデート対応

今回はAndroidスマホに入れていたmicroSDカードがダメになったためにデータがとりだせず、フォーマットで全消しするしかなくなった場合を想定し、実際に使用した結果をレポートします。

実はSDカードも指の静電気ひとつで中身が消失するぐらいにはデリケート。静電気が原因だったかまでは不明ですが、私自身、SDカードが読み込めず思い出の写真も仕事の重要資料を収めたまますべてフォーマットした経験があります。

そこで実際に、私がAndroidスマホで撮った写真や音楽を保存しているmicroSDカードをフォーマットし、EaseUS Data Recovery Wizardでデータ復旧を試みます。

 

結論:めちゃ速い&ほぼ完ぺきに復旧

データ復旧の実験に使われたmicroSDカード

Androidスマホで使っていたmicroSDカードを犠牲に。

さきに結論からいえば、予想以上の速さと予想以上の精度でデータ復旧できました。

今回は実験台として、Androidスマホ Galaxy Note8で使っていた64GBのmicroSDカードを犠牲になってもらいまいました。

実際のフォーマット前データ数と救出できたデータ数は下記の通り。

EaseUS Data Recovery WizardでのmicroSDスキャン結果

EaseUSDataRecoveryWizardでのmicroSDカードデータ復旧結果

※SDカードはプロパティでファイル数が表示されないので、ハードディスクのフォルダとして保存して計測。

元データ復旧後
ファイル数8,1018,096(不足5)
フォルダ数1,101641(不足460)
容量42,466MB42,426MB(不足40MB)

惜しい! 5ファイル足りない。

実際に復旧されたファイルを見ると動画、写真、音楽の数は合っていたので、Androidのシステム関連ファイルでダメなのがあったように思えます。

フォルダ数がかなり足りませんが、ファイル数から考えてほとんどがカラのフォルダとわかるので問題なし。

フォルダはともかく、ファイルだけでみれば99.9%のデータ復旧率。洗剤のCMのような結果です。

もとよりデータ復旧ソフトはどれも100%の復旧を保証するものではないけど、これはなかなか信頼のおける実測結果です。

所要時間はスキャン込みで1時間弱

所要時間は40GB越えるmicroSDカードで1時間かからない程度。

実際に使ってみて舌をまいたのが復旧の速さ。41.4GBもの容量を復旧させるのにかかった時間はスキャンで約10分、復旧を開始させてから約45分で、計1時間しない程度でした。

5時間とか6時間くらいは覚悟していたからちょっと驚き。テストに使ったPC本体にmicroSDを直挿しできたのが大きかったのかも。ちなみにPCはSurfaceProで、microSDスロット搭載。

ただ、PC側のストレージ容量の関係で、実際に復旧させたデータをサルベージ・保存したのが外付けハードディスク。PC本体に保存させていたらもっと短時間で吸い出せていたかもしれません。

データ復旧よりもその前にかけたmicroSDカードのフォーマットの方がよっぽど時間かかりました。長らく使っていたmicroSDカードだし、あえてクイックフォーマットではなく通常フォーマットしたので。

テスト機 SurfacePro3 スペックと所要時間

  • CPU:第4世代Intel Core i5プロセッサ
  • ストレージ:256GB SSD
  • メモリ:8GB
  • 所要時間:56分13秒

使い方が簡単で、直感的に使える

特定のファイルだけを選んで復旧させることも可能

EaseUS Data Recovery Wizardを立ち上げた画面(Windows10版)。

スキャン後、フォルダごとはもちろん特定のファイルだけ選んで復旧もできる。

一番いいなと感じたのがEaseUS Data Recovery Wizardは使い方がシンプルで簡単な点。

基本的な流れは

  • どのドライブ / フォルダをスキャンするか決める
  • スキャン後、ファイル一覧が表示される
  • 全ファイルか一部ファイルを選んで復旧

これだけ。どのデータ復旧ソフトも結局は似たりよったりなんですけど、EaseUS Data Recovery Wizardはここのシンプルさがとてもいい。

しかし操作はシンプルながらスキャン対象を各種フォルダだけでなくデスクトップやゴミ箱からも選べるなど、細かい使い勝手もよく考えられている。

もちろん使い方の説明も充実してはいましたが、よほどのPC初心者でもない限り直感的に使えるはずです。

意外と動作も軽快

EaseUSDataRecoveryWizardメモリ8GBPCでのメモリ使用量

速いくせに動作も軽い。

意外だったのが、復旧の仕事が速いくせに動作が警戒だった点。

EaseUS Data Recovery Wizard、スキャン中でメモリー使用量125MB程度と動作も軽快でした。

PCのスペック次第でしょうが、メモリが8GBどころか4GBしかない方でも問題ないかと。

2GBのPCでも動かないことはないと思いますが、その化石はいますぐ窓から投げ捨てて家電屋さんへGO

メモリは自宅利用で4GB、業務利用で8GBが日本国憲法第25条が定める「 健康で文化的な最低限度の生活 」だと思う。

EaseUSDataRecoveryWizardメモリ16GBノートPCでのメモリ使用量

もう少し高スペックなPCでテスト。

少し高スペックなPCで負荷をみた結果。メモリ使用量が600MB以上と増えましたが、それでも全体の4%も使っていません。

ちなみにCPU第7世代i7-7500U / メモリ16GBのノートPC。

スキャン中・復旧中はPCが重くなりすぎないよう、スペックや空きメモリに応じて調整してくれているのかも。

なんならEaseUS Data Recovery WizardよりFirefoxの方重い。10タブほどで倍以上の負荷です。

Mac版、Android版、iPhone版もある

Mac版EaseUSDataRecoveryWizardのスキャン画面

Mac版はインターフェースがちょっと違う。

EaseUS Data Recovery WizardはWindows版だけでなく、Mac版も存在しています。

Mac版もWindows版と機能はほぼ同じ。もちろんPC本体だけでなく外付けハードディスク、外付けSSD、SDカードなど外部ストレージの復旧も可能です。

Mac版でも同じmicroSDカードをフォーマット → スキャンしてデータ復旧したところ、復旧できたデータ数や容量はほぼ同じような結果に。

ただ、Windows版よりMac版の方が時間がかかりました。全部で1時間半ほど。

OSだけでなくPCのスペックにも違いがあるので所要時間に違いが出るのは当然ですが、なによりスキャンに時間が費やされていました。

とはいえ原因はハッキリしていて、1枚のmicroSDでフォーマットとデータ復旧を繰り返したためスキャン対象が増えてしまったのが原因。

(この辺りは後述)

また、MacbookAirはSDカードスロットがない + UBSがタイプC端子の関係で、microSDを認識させるためSDカードリーダーとタイプC変換器をかませために時間がかかったものと思われます。

ちなみにPC用(Windows版 / Mac版)だけでなくスマホ本体用としてAndroid用 / iPhone(iOS)用のデータ復旧ソフトもそれぞれ用意されています。

Mac版テスト機 MacbookAir2018スペックと所要時間

  • CPU:デュアルコア第8世代Intel Core i5プロセッサ
  • ストレージ:256GB SSD
  • メモリ:8GB
  • 所要時間:1時間31分02秒

不満点も

EaseUS Data Recovery Wizard、いいとこばかりレビューしましたけど、不満点がないわけでもありません。

いつ消えた(消した)フォルダかがわかるといいなぁと。

今回の実験でいえば3回削除したデータがすべて延べで復旧表示されてしまった。実際の実験手順は下記。

  1. フォーマットする
  2. Data Recovery Wizardでデータ復旧
  3. 一度ファイルを消す
  4. Data Recovery Wizardでデータ復旧
  5. フォーマットする
  6. Data Recovery Wizardでデータ復旧(Mac)

こうして何度も削除と復旧を繰り返したため、Data Recovery Wizardでスキャンすると①、③、⑤それぞれで消失したファイルが全部別データとして出てきてしまう。

これが原因でMac版ではスキャン時間が伸びたようです。

それだけデータ復旧性能が素晴らしい証拠だし、スキャン時にそれぞれでフォルダごとに分かれて出てくれるのでなんとなく把握は可能。

基本的には消えた原因などである程度まとめて表示してくれているようなのですが、できれば日時でもまとめて表示したりソートできればより探しやすくなりそう。

あとは細かいところですが、EaseUS Data Recovery WizardがWindows10のウィンドウスナップに非対応な点と、最終的にかかった時間などが表示されるレポート機能があると嬉しい。

優秀すぎて怖い、元も子もない不満(不安?)

っもうひとつ元も子もないこと不満(不安?)をいえば、簡単に復旧できすぎて怖い

EaseUS Data Recovery Wizardを知ったいまとなっては、誰かに見られたら困るファイル、PCから消去したくらいじゃ全然安心できません。

ゴミ箱とかデスクトップ限定でスキャン・復旧もできるし。

他人に外付けハードディスクやmicroSDカードなんか譲り渡したりももう怖くてダメかも。フォーマットしても復旧できちゃうし。

EaseUSさん、なんてものを作ってくれたんだ……!

あとはなにかと忘れっぽい私の脳には対応してない点も不満かな。無茶いうなってね。

今後のアップデートで対応する可能性も

実はData Recovery WizardはProライセンスを一度購入していれば、今後のアップデートもサポートされます。

今回私が感じた不満点のウィンドウスナップ機能への対応やレポートについては今後改善される可能性もあります。

さすがに、簡単に復旧できる点が怖いなんて不満(?)と私の脳に対応することはないかと思いますが……

なお、有償版であるData Recovery Wizard Proのライセンスは1台分ですが、PCを乗り継いでの移行は可能なので半永久的に使い続けられます。

サブスクリプションじゃなくてライセンス買いきりのソフトなのにスゴイ。見習ってほしいなAdobeさん。

大体は無料版でこと足りる?

今回はレビュー・実験の趣旨から容量64GBのmicroSDカードからデータ復旧するため、有償版のEaseUS Data Recovery Wizardを利用しました。

が、多少のことなら無料版でこと足りるかもしれません。

無料版でも機能やスキャン・復旧性能は全く同じで、復旧できるデータ容量が2GBまでって制限があるだけ。

「 買ったあとでやっぱり復旧できなかったらと思うとちゃんと不安 」って方はまず無料版を使ってみて、救出したいデータがスキャン出来たら購入を検討すればいいかと。

そもそも2GB未満なら無料でデータ復旧できることに。EaseUSさん、太っ腹。

ダウンロードは下記リンクよりどうぞ。

EaseUS Data Recovery Wizard無料版 ダウンロードページ

まとめ:EaseUS Data Recovery Wizard データ復旧レビュー

  • カラらしきフォルダは大量に消失したが、
  • シンプルなだけでなく、デスクトップだけ、ゴミ箱だけスキャンなど細かい使い勝手がよく考えられている。
  • 不満点もあるが機能には問題なし。永久アップデート対応なので、今後の改善も期待できる。
  • 結論:今後、使っていた外部ストレージは絶対に他人には渡しちゃダメと思うくらい優秀。

今回はデータが飛んだSDカードを前提にレビューしましたが、間違って消しちゃったPC上のデータや、なんらかの理由で消失したパーティションの救出にも対応。

さすがにパーティション吹っ飛ばしてデータ復旧なんて怖くて実験はできませんでした。

が、近頃サブPCがときおり内臓HDDのDドライブを認識しない不具合を出し始めたので、そのときは働いてくれそうです。

そんなこと起きて欲しくはないけれど、もし起こったらまたレポ・レビューするかもです。