【蕎麦屋とSEO】サイトを高速化するCDNとは?
「 表示速度の遅いサイトは検索順位下げるから早く死ね 」
ここまで直接的な表現ではないにしても、近年Googleはサイト表示速度にただならぬこだわりを見せています。
表示速度が検索での表示順位と離脱率、ひいてはサイトの収益に直結する要素に。
だからこそ注目を浴びている機能が、CDNです。
コンテンツキャッシュとも呼ばれるCDNとはなにか、蕎麦屋の出前に例えながらわかりやすく解説します。
CDNとは?
CDNとは、Chinese Delivery Noodleの略。らーめんや蕎麦屋の出前のことをさしますウソです。
Content Delivery Networkの略。つまり、コンテンツを配達するためのネットワーク。なるほどわからん。
つまりはCDサイトデータをデータサーバだけでなく、CDNサーバーに分散させておくことでサイトの表示速度を上げる技術です。
いうなれば、蕎麦屋があちこちに支店を置くことで大量の注文や遠方からの注文でも素早く対応できるようにしよう、って試み。
通常、ユーザー(サイト閲覧者)がサイトをみるときは
- ユーザーのパソコンから「 このサイトを見たい!見せて見せて! 」とリクエスト
- 「 しょうがないなぁ、見せてあげるよ。 」とデータサーバーからユーザーのパソコンへサイトデータを伝送する
流れでパソコンに表示されます。
(サイトのデータ=HTML、画像、CSS、JSなどなどページを構成するファイル)
蕎麦屋でいえば、お客さんが出前を注文(ユーザーが見たいとリクエスト) → 蕎麦を送り届ける(データサーバーがサイトデータを送る)の流れ。
しかしこの方法では、下記の要素によってデータの伝送にタイムロスが生じ、実際に表示されるまで無駄に時間がかかってしまうことがあります。
- サイト閲覧者の端末とデータサーバー間にある経路の距離。
- アクセス集中などデータサーバーへの負荷により処理が遅れる。
物理的に遠ければ出前=表示に時間がかかる
1点目はそのまんま、サーバー、アクセスポイント、端末(パソコンやスマホ)までの物理的な経路の長さ。
出前でいえばお客さんの家までの距離です。当然遠いほど蕎麦を届けるまで時間がかかります。
光ファイバーなど技術の向上によってデータ伝送のスピードは向上しているとはいえ、オリンピックの陸上よろしく0.1秒、0.01秒を争う現代の表示速度戦争において、コースが100Mか101Mか、これは無視できない問題。経路は短いに越したことはありません。
データサーバーただいま満席
もう一点表示速度が遅くなる要因が、サイトへのアクセス=閲覧リクエストの集中。
蕎麦の出前も注文が殺到したらゆでるのも出前も遅くなり、お客さんを待たせることになります。
サイトも同じで、ユーザーが一気にたくさんくるとデータサーバーに負荷によって処理が遅くなり、サイトの表示に通常よりも時間を要します。
新商品を発表したばかりの企業のホームページやセール中の通販サイトが重くなるのもアクセスの集中が原因。
これらサイトの表示速度が遅くなる要因を解消してくれるのがCDNなんです。
CDNの仕組みと原理
CDNの仕組みと原理を簡単にいえば、「 お客さんの家から遠かったり注文が多くて遅くなるなら、アチコチに支店を作っておけばいい? 」って発想です。
実際、CDNではCSSや画像などのデータを、データサーバーとは別にアチコチのCDNサーバーに一時保存=キャッシュさせておきます。
ユーザーからアクセス(表示リクエスト)があったときは物理的に近いキャッシュサーバーからページのデータを送るため、データサーバーから直接データを送るよりも早くなるのです。
また、リクエストの処理もデータサーバーだけではなくアチコチにあるCDNのサーバーからも行われるので、アクセスが増えても負荷が分散され、処理が遅くなりにくい点も特徴。
つまり、CDNはページの表示速度を遅くさせてしまう「 サーバーとの物理的な距離による 」と「 高負荷によるパフォーマンス低下 」にアプローチできる魔法の技術なのです。
CDNは一度廃れた技術
実はCDNは新しい技術でもなんでもなく、インターネットの回線速度が遅くサーバーの性能もまだまだ低い1990年代に表示速度を上げるために生まれた技術でした。
しかし時代は移り変わります。昔は画像1枚表示するのにコーヒー淹れてゆっくり飲みながら待っていたのが、今ではストリーミングで映画を観られるまでに。
ダイヤルアップ → ISDN → ADSL → 光ファイバーとインターネット回線の速度がとんでもなく速くなり、サーバーの性能も飛躍的に向上しています。(ついでにいえば4GとかLTEとか、電波回線も速い)
それで「 CDNがあってもなくても大差ない。むしろ設定の手間とコストばっかりかかって面倒だからやめよう。 」と廃れ、あまり使われなくなっていました。
蕎麦屋でいえば「 スーパーカブが時速500kmくらい出せるようになったから、遠方でも注文殺到でも早く届けられる。もう支店いらない。 」って感覚。
(いまのネットスピードは、昔に比べればそれくらい無茶苦茶早いです)
スマホの台頭によりCDNが再び脚光を浴びる
しかしあくなき欲望を持つのが人間。
サイトにTwitterのタイムラインとかGoogleマップ埋め込んでみたり動画も表示させたり、静止画もモニターの高性能化によって高画質に。サイトの表現はどんどんリッチになっていきます。
それでもパソコンからのアクセスであれば大した問題ではありません。が、スマホでのインターネット利用が爆増したことで事情が変わります。
今では、基本的に同じ内容をパソコンかスマホかで見やすいように並べ替える「 レスポンシブ 」を採用したサイトがほとんど。
レスポンシブで見やすく整えていても、パソコンでの表示を基準に作ったサイトをスマホで読み込むには時間がかかるのです。
4G・LTEの恩恵を受けている日本先進国のユーザーでも、意識・無意識の関わらず表示速度の遅いサイトを避ける傾向が強まっています。
さらに世界レベルで見れば、ここまでインフラの整った国・地域の方がレア。2020年に至ってもまだ3G回線が70%の割合を占めるとの予測がたっています。
グローバルなGoogleとしては「 表示順位の遅いサイトは検索順位下げるから早く死ね 」ってわけです。
サイト運営者側は「 やっべぇ、なんとかして表示速度早くしないと殺される。 」となり、一度は見放されたCDNが再度脚光を浴びることとなったのです。
まとめ:CDNによりサイト高速化とSEO
- 通常、サイト閲覧者とデータサーバーの物理的な距離やデータサーバーの混雑により、サイトの表示速度が遅くなってしまう。
- CDNはコンテンツキャッシュサーバーに画像などサイトデータをキャッシュさせておき、上記表示速度を遅くさせる要因を解消させる技術。
AMPにモバイルファーストインデックスにと、Googleのサイト表示速度にかける想いは本気です。
レンタルサーバーでWordPressを使いサイトを置いている方も多いかと思いますが、レンタルサーバーでもCDNにも対応しているところも出てきました。
もう、「 あっ、たった今出前出ました。もうちょっと待ってください。 」で済む時代ではありません。少しでも遅いと感じたらバイバイされてしまうシビアな世の中。
可能な限りサイトの表示速度を上げて、時速500kmの勢いでコンテンツをお届けし、ユーザーにもGoogleにも嫌われないよう努力が必要です。
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